[経歴]
2012年3月 兵庫医科大学医学部 卒業
2012年4月 高知医療センター勤務
その後、大手美容外科にて院長を歴任
2024年2月 いびきのクリニック入職
2024年11月 いびきのクリニック梅田院院長となる
いびき対策で効果的な方法とは?
中高年男性の悩みを解決する方法

中高年の男性に多い「いびき」の悩み。睡眠中の大きないびきは周囲を困らせるだけでなく、本人の健康にも影響を及ぼす可能性があります。
実は、日本人男性の約4割近くが習慣的にいびきをかいているとも言われており、特に中高年になると毎晩のようにいびきをかく人が増えてきます。
なぜ中高年男性はいびきをかきやすいのか?そしていびきを止める効果的な方法はあるのでしょうか?
この記事では、いびきの原因や一般的な対策からいびきの改善が期待できるレーザー治療までをご紹介します。自分や家族のいびきに頭を抱えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
監修医師情報

中高年男性に多いいびきの悩みとそのリスク
「寝ている間のいびきがうるさい」と家族に指摘されたり、自分でも寝起きに喉の痛みや疲労感を覚えたりすることはありませんか?
中高年の男性は、加齢や体型の変化により喉まわりの筋肉がゆるみやすく、いびきをかきやすい傾向があります。
さらに飲酒や肥満、喫煙といった生活習慣も重なり、若い頃には気にならなかったいびきが中年以降に急にひどくなるケースも少なくありません。
いびきは睡眠の質を低下させる大きな要因です。いびきをかいている間は気道(空気の通り道)が狭くなって十分な酸素が取り込めず、睡眠が妨げられている可能性があります。
その結果、日中の強い眠気や集中力の低下、疲労感につながり、仕事や生活のパフォーマンスにも悪影響が出てしまうことがあります。
また、一緒に寝ているパートナーの睡眠も妨害してしまい、夫婦間のいびきトラブルに発展することもあります。
さらに注意したいのは、いびきを単なる「音の問題」で終わらせてはいけないという点です。酷いいびきは睡眠時無呼吸症候群(SAS)につながる可能性があります。
実際、「寝ていると急にいびきが止まることがある」と指摘された場合、睡眠中に呼吸が一時的に止まっている(無呼吸状態)かもしれません。
睡眠時無呼吸症候群になると、夜間に何度も酸素不足になることで血圧が上昇し、心臓や脳に負担をかけます。慢性的にいびきをかく人は、高血圧や心疾患、糖尿病など生活習慣病のリスクが高いという報告もあります。
いびきは放置すると健康を脅かす深刻な問題になり得るのです。
このように中高年男性のいびきは、自身の健康と周囲の生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。
いびき改善が期待される治療法「パルスプレミア」とは
いびき治療の分野で近年注目されているのが、レーザーによる治療法です。「レーザー治療でいびきを治す?」と聞くと驚く方もいるかもしれません。
レーザー治療というと美容皮膚科でシミを取ったり、眼科で視力矯正するイメージがありますが、実は喉にレーザーを当てることでいびきを軽減する画期的な方法が開発されているのです。
従来も「レーザー手術」でいびきを治療することはありましたが、それは口蓋垂や軟口蓋をレーザーで焼き切る外科的手術でした。
焼灼による切除は確かに組織を減らすことができますが、術後の痛みや出血リスク、ダウンタイム(回復期間)が伴います。
要はメスを使うかレーザーを使うかの違いだけで、体への負担が大きい点では通常の手術と同様だったのです。
一方、「切らないレーザー治療」とも言われるいびき治療では、組織を切除することなく、特殊なレーザー光をイビキの原因となる部位に当てることで組織を引き締め、たるみを解消する治療法です。
いびきの原因となっている口蓋垂(のどちんこ)や軟口蓋にレーザーを照射すると、熱作用でコラーゲン組織が収縮し、その部分がキュッと引き締まります。
簡単に言えば、たるんだ喉の奥の粘膜にレーザーでハリを持たせるイメージです。喉の奥が引き上がることで気道が広がり、空気の通り道が確保されるため、睡眠中の粘膜振動(いびき音)が起きにくくなるというメカニズムです。
パルスプレミアでは医療用のEr:YAGレーザーという波長の光を使用しますが、元々は美容外科領域で皮膚のたるみを引き上げるために使われていた技術です。
それを応用し、いびきの原因部分に照射できるよう開発されたのがこの治療法になります。
レーザーの強さや照射時間は患者様一人ひとりの喉の状態に合わせて医師が細かく調整しますので、「効果が出にくい方にはしっかりめに」「刺激に敏感な方には弱めに」など患者様一人一人の状態に合わせた治療が可能です。
もちろん施術前には医師による診察を十分に行い、レーザー照射が適切かどうか確認した上で治療を行います。
例えば、鼻詰まりの原因となる疾患(副鼻腔炎やアレルギーなど)が強い場合や、扁桃腺の極度の肥大がある場合などは、先にそれらの治療を優先したほうが良いケースもあります。
当院では総合的に原因を見極め、状況に合わせた治療プランをご提案しています。
短時間・痛みほとんどなしでいびき改善が期待できるレーザー治療
レーザーによるいびき治療は、「身体への負担が少ないのに効果が大きい」という点で画期的です。従来の治療と比べたメリットを中心に、その特徴をまとめます。
- 施術時間はわずか15〜20分程度:レーザー治療は日帰りで受けられる外来処置です。施術そのものは1回約15分と短時間で終了することが多いです。 入院の必要もなく、仕事や家事の合間に受けることも可能です。「忙しくて治療の時間を取れない」という方でも負担なく受けられます。
- メスで切らないので痛みが少なく・出血がない:
照射中はチクチクと熱を感じる程度で、麻酔も表面麻酔(喉にスプレーする麻酔など)で対応できるため体への侵襲が少ないです。組織を切り取らないので出血の心配もありません。施術後に多少喉がヒリヒリすることはありますが、一般的なのどの炎症程度で、鎮痛剤がほぼ不要な軽い症状で済みます。痛みに弱い方でも安心して受けていただけます。 - ダウンタイムがほぼ無く、ほとんどの方が翌日から普段通り:
レーザー治療後は特別な安静期間は必要ありません。ほとんどの場合は処置後すぐに飲食も可能で、そのまま普段通りの生活に戻れます。まれにダウンタイムがあるケースもありますが、数日間喉に軽い違和感が残る程度で、従来の手術のように長い休養は不要です。「仕事を長く休めない」「すぐに日常生活に復帰したい」という方には大きなメリットです。 - 効果は施術直後に効果を実感する場合もあり、回数を重ねるとさらに向上:
レーザー照射による組織の引き締め効果は施術直後から見られるケースもあります。1回の治療でいびきの音量が小さくなったり、いびきをかく頻度が下がったと実感する患者様も多くいらっしゃいます。ただし個人差もあるため、必要に応じて数週間〜1ヶ月おきに複数回の施術を行うことがあります。回数を重ねるごとに効果が高まり、例えば初回で50%の方が改善を実感し、複数回の施術を行った方の全体の80%以上の方が明らかな効果を感じているというデータもあります。一度引き締まった組織はしばらく維持され、さらに施術後しばらくの間はコラーゲンの増生が続くため、時間が経つにつれより効果が増すことも期待できます。 - 身体へのリスクが少なく高齢者にも適用可能:
全身麻酔を伴う手術は高齢の方や基礎疾患のある方にはリスクが高いですが、レーザー治療なら体への負担が軽いため比較的高齢の方でも安心して受けられるのも特長です。また「手術は怖い」と敬遠していた方にも受け入れやすい治療法と言えます。
このように、いびきレーザー治療は「短時間・低痛み・ダウンタイムほぼ無し」でありながらいびきの改善に効果的な点が最大の魅力です。
病院で行われる主ないびき治療(CPAPや手術など)
自己対策で改善しない頑固ないびきや、睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は、専門の睡眠外来や耳鼻咽喉科に一度相談しましょう。医療機関では、原因に応じたいくつかの治療法が提供されています。
CPAP療法(シーパップ)
いびきや睡眠時無呼吸症候群の治療でよく知られているのがCPAP療法です。CPAPは「Continuous Positive Airway Pressure(持続陽圧呼吸療法)」の略称で、就寝時に鼻にマスクを装着し、気道内に一定の圧力をかけて気道の閉塞を防ぎます。これにより、無呼吸状態を防ぎ、いびきの軽減や夜間の酸素低下、日中の眠気などの症状改善に効果が期待できます。特に中等度〜重度の方には標準的な治療として用いられており、多くの臨床的な効果が報告されています。
しかし、CPAPは機器を毎晩使用する負担が大きい点がデメリットです。鼻マスクとホースにつながれた状態で寝る必要があるため、最初は違和感が強く、睡眠中に外してしまったり寝付けなかったりするケースもあります。また、機械の定期メンテナンスやコスト(健康保険適用で自己負担は軽減されますがレンタル料等が発生)も考慮しなければなりません。「機械をつけて寝るなんて無理」と感じる方や、軽症のいびきや、機器の装着に抵抗のある方には、他の治療法の選択肢もあります。
外科的手術(口蓋垂や扁桃の切除など)
もう一つの病院治療は、のどの構造そのものを手術で改善する方法です。典型的なのは、口蓋垂軟口蓋咽頭形成術(いわゆるのどちんこや軟口蓋の切除術)です。軟口蓋や垂れ下がった口蓋垂(のどちんこ)を一部切除したり、必要に応じて扁桃腺を摘出することで、喉奥の空間を広げいびきを軽減する手術です。ケースによっては、肥大した扁桃や鼻中隔のゆがみの矯正なども行われます。
手術によって物理的に気道を広げればいびきや睡眠時無呼吸症候群の症状改善が期待できますが、身体的負担が大きいのが難点です。全身麻酔下で行うことが多く、手術後は喉の強い痛みや出血のリスクがあり、回復までに時間がかかります(1〜2週間程度の安静・療養期間が必要な場合もあります)。社会人の方ですとその間仕事を休まねばならず、なかなか踏み切れないという声もあります。また、合併症の不安や「そこまで大掛かりな治療はちょっと…」という心理的ハードルも高いでしょう。
このように、従来の医療機関での治療は従来の治療法には、継続や侵襲面で課題を感じる方も少なくありません。
専門クリニックで安心して受けられる治療
「本当にレーザーなんて当てて大丈夫なの?」と不安に思う方もいるかもしれません。しかしご安心ください。いびきのレーザー治療は耳鼻咽喉科の専門医が在籍のもと、安全に配慮して行う医療行為です。
施術前には喉や鼻の状態を詳しくチェックし、レーザーが適切に効果を発揮できるかを確認します。場合によっては他の治療を優先すべきケースもありますので、まずは医師の診察を受けることが大切です。
レーザー治療が適していると判断された場合でも、一人ひとり喉の形やたるみ具合は異なります。
専門クリニックでは経験豊富な医師が担当し、個々の患者様に合わせた細やかな治療プランを提案してくれます。「自分の場合は何回くらい施術が必要か」「どの程度いびきが改善しそうか」といった疑問にも、診察時に丁寧に説明があります。不安な点や疑問は遠慮なく相談し、納得した上で治療に臨めるよう配慮されています。
まとめ
効果的な治療でいびきを改善し、快適な睡眠を取り戻そう
いびきは中高年男性によく見られるお悩みですが、適切な対策を取れば改善できる可能性が十分にあります。生活習慣の見直しやグッズの活用など、自分でできる対策から始め、
それでも解消しない頑固ないびきには専門的な治療を検討してみましょう。
中でもレーザー治療は身体的・時間的な負担が少なく効果が大きい効果が期待できる治療法として、多くの方にとって魅力的な選択肢となり得ます。
「いびきがうるさいのは歳のせいだから仕方ない」「手術しか方法がないならこのままでいいや」と諦めてしまうのは非常にもったいないことです。いびきを放っておくと睡眠の質低下による日常生活への支障だけでなく、健康面でもリスクを高めてしまいます。
逆に、いびきが治れば毎日の睡眠が深くなり、日中の体調も良くなるでしょう。いびきに悩んでいる方は、この機会に根本的な解決策に踏み出してみませんか?