[経歴]
2012年3月 兵庫医科大学医学部 卒業
2012年4月 高知医療センター勤務
その後、大手美容外科にて院長を歴任
2024年2月 いびきのクリニック入職
2024年11月 いびきのクリニック梅田院院長となる
睡眠時無呼吸症候群の自力での治し方とは?
原因別の対処法

睡眠時無呼吸症候群は、放置するとさまざまな健康リスクを引き起こす可能性があります。しかし、自力で改善するための方法も存在します。 この記事では、睡眠時無呼吸症候群の原因とその対処法について紹介します。
監修医師情報

睡眠時無呼吸症候群とは
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に一時的に呼吸が止まることで特徴付けられる疾患です。この症候群の主な症状には以下のようなものがあります。
- いびき:睡眠中に大きないびきを立てることが多い。
- 息切れ:睡眠中に呼吸が途切れる感覚がある。
- 頭痛:朝起きた際に頭痛がすることがある。
- 疲労感:朝起きた時に疲れが取れず、日中も疲れや眠気を感じることがある。
- 集中力の低下:日中の集中力や記憶力が低下することがある。
- 不眠:睡眠中に何度も目が覚めることがある。
- 夜間多尿:夜中に何度もトイレに起きることがある。
これらの症状が繰り返し現れる場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性が考えられます。
睡眠時無呼吸症候群を放置した場合の危険性

睡眠時無呼吸症候群は放置するとさまざまな危険が伴います。
まず、睡眠中に呼吸が止まることで、脳や体に酸素が供給されなくなります。これにより、脳機能の低下や集中力の低下、記憶力の低下などの問題が生じる可能性があります。
さらに、長期間放置すると高血圧や心臓病、脳卒中などの重篤な合併症を引き起こす可能性がります。そのうえ糖尿病などの生活習慣病のリスクが高まることも報告されています。
突然死は、無呼吸発作のため苦しくて目が覚めるのでまずありませんが、低酸素が原因で不整脈を起こしやすいので、二次的な不整脈で突然死の可能性は否めません。
また、日中に眠気に襲われることが増えるため、居眠り運転の危険性が高まり、交通事故の可能性も5~7倍と言われています。
このように睡眠時無呼吸症候群を放置することは、健康リスクを増大させるだけでなく、日常生活にも支障をきたす可能性があるため、早めの対処が重要です。
睡眠時無呼吸症候群を自力で解決することは可能?

睡眠時無呼吸症候群は、適度な運動やバランスの取れた食事を心がけることで、睡眠時無呼吸症候群の症状を軽減することはできます。
また、睡眠環境の改善も効果的です。寝る前のリラックスした時間を作ったり、寝室を快適な温度や湿度に保つことで、睡眠の質を向上させることができます。枕の高さや寝姿勢にも注意を払い、正しい寝姿勢を保つことで無呼吸の発生を減らすことができます。
このように自力での改善方法を取り入れることで、睡眠時無呼吸症候群の症状を軽減することはできます。しかし、基本的に特効薬や根本治療はない病気のため、完治は難しいです。
ただし、専門医の診断や治療を受けることで症状の改善が見込まれます。安心して睡眠をとるためにも、早めの対処が大切です。
睡眠時無呼吸症候群の対処法を原因別に紹介
睡眠時無呼吸症候群の治療法には、原因ごとに以下のような方法があります。
体重の管理
睡眠時無呼吸症候群は肥満が原因の一つとされています。肥満により首周りの脂肪が増えることで気道が狭まってしまうことが原因となります。
体重を適切に管理し、減量することで症状の改善が期待されます。
禁煙とアルコールの制限
喫煙や過度のアルコール摂取は睡眠時無呼吸症候群の症状を悪化させる可能性があります。
喫煙はのどの粘膜を刺激して炎症を起こしそれによってのどの通り道が狭くします。
アルコールはのどの筋肉を弛緩させ、気道を狭めてしまいます。
このように、睡眠時無呼吸症候群を誘発させる可能性のある禁煙やアルコールの摂取を控えることが重要です。
睡眠姿勢の工夫
仰向けで寝ると舌が喉を塞ぐ可能性が高まります。そのせいで睡眠時無呼吸症候群の原因になる可能性があります。
横向きになることで、舌や軟口蓋が喉の奥に落ち込むのを防ぎ、気道が確保されやすくなります。横向きで寝る、または枕を使って頭を高くするなどの工夫が有効です。
定期的な運動
適度な運動は体重管理だけでなく、睡眠時無呼吸症候群の症状改善にも役立ちます。定期的な運動を取り入れることで、肥満の解消に加え、筋力がアップするため、舌がのどに落ち込むのを防いでくれるので症状の軽減が期待できます。
舌のトレーニング
舌の筋肉を鍛えることで、気道を広げる効果があります。以下の方法を試してみてください。
- 舌を前に出す運動: 舌をできるだけ前に出し、5秒間キープします。その後、舌を口の中に戻し、リラックスします。これを10回繰り返します。
- 舌を上あごに押し付ける運動: 舌を上あごに強く押し付け、5秒間キープします。その後、リラックスします。これを10回繰り返します。
完治を目指す方へ|病院での検査や治療方法とは?

睡眠時無呼吸症候群の治療は個々の症状や原因に合わせて継続的に検討されるべきです。
睡眠時無呼吸症候群の検査方法には、主に以下の方法があります。
検査を受けることで、睡眠時無呼吸症候群の診断や症状の原因を特定し、適切な治療法を選択することが可能となります。
病院での検査
病院では、まず問診により以下の方法で睡眠中の呼吸状態を調べます。
- ポリソムノグラフィー(PSG)
- 睡眠中に様々な生理的パラメーターを同時に記録する検査方法です。
- 呼吸、酸素飽和度、脳波、筋電図などを計測し、睡眠時無呼吸症候群の診断に役立ちます。
- ホーム・スリープ・テスト(HST)
- PSGよりも手軽に自宅で行える検査方法です。
- 通常、HSTは睡眠時無呼吸症候群のスクリーニングに使用され、症状の重症度を判断するのに役立ちます。
- 鼻呼吸検査
- 鼻呼吸の障害や口呼吸の有無を確認するための検査です。
- 口呼吸が睡眠時無呼吸症候群の原因となることがあるため、重要な検査法の一つです。
これらの検査方法を適切に組み合わせることで、医師の診断と指導のもと、適切な方法を選択します。
病院での治療法
病院での睡眠時無呼吸症候群の治療法には、以下のような方法があります。
- CPAP(Continuous Positive Airway Pressure)療法
CPAP療法は、睡眠中に特殊な機器から供給される空気圧力によって気道を開いておく治療法です。これにより、気道の閉塞を防ぎ、無呼吸や低酸素症を改善します。CPAP療法は、睡眠時無呼吸症候群の主要な治療法の一つであり、効果が高いとされています。 - 口腔内装置の使用
口腔内装置は、歯科医師が作成する特殊な装置で、口腔内に装着して使用します。これにより、下顎を前方に押し出すことで気道を広げ、無呼吸を改善する効果があります。特に軽度から中等度の睡眠時無呼吸症候群の治療に有効です。 - 外科手術
重度の睡眠時無呼吸症候群の場合、気道の解剖学的な異常が原因となっていることがあります。このような場合、外科手術が検討されることがあります。手術にはリンパ節摘出術や扁桃摘出術などが含まれます。
まとめ
睡眠時無呼吸症候群は放置せず、適切な対処法を取ることで、改善できる疾患です。自身の健康を守り、睡眠時無呼吸症候群と共に健康な生活を送るために、積極的なアプローチを心がけましょう。
睡眠時無呼吸症候群と病院の関係は非常に重要です。睡眠時無呼吸症候群は放置するとさまざまな健康リスクを引き起こす可能性があります。そのため、睡眠時無呼吸症候群の症状が疑われる場合は、早めに医師の診断を受けることが重要です。