[経歴]
2012年3月 兵庫医科大学医学部 卒業
2012年4月 高知医療センター勤務
その後、大手美容外科にて院長を歴任
2024年2月 いびきのクリニック入職
2024年11月 いびきのクリニック梅田院院長となる
寝不足で吐き気がする理由とは?対処法や予防法を解説

睡眠不足がもたらす健康への影響はさまざまです。
睡眠不足によって免疫力が低下し、ストレスホルモンの分泌が増加することで身体のバランスが崩れ、吐き気を感じることがあります。
どうして吐き気を催すのか、そのメカニズムと対処法などをこの記事では紹介していきます。
監修医師情報

なぜ寝不足で吐き気がするのか?
寝不足が引き起こす具体的な病気としては、ストレスや疲労による胃の不調や消化器系のトラブルが挙げられます。
これらの症状が重なることで吐き気を感じることがあります。睡眠不足によって胃酸の分泌が増加し、胃の粘膜がダメージを受けることで吐き気を引き起こすこともあります。

体内のバランスの崩れが原因
寝不足で吐き気がする理由は、睡眠不足がもたらす身体への悪影響によるものです。
睡眠不足は身体の機能を正常に保つために必要な休息を得られない状態であり、これが吐き気を引き起こす可能性があります。
寝不足による吐き気のメカニズムは、身体のバランスが崩れることで消化器系や神経系に影響が及び、吐き気を引き起こす可能性があるとされています。睡眠不足によるストレスや疲労が蓄積されると、身体が正常な状態を維持するために異常な反応を起こすことがあります。
吐き気がするほどの寝不足が体に及ぼす悪影響
睡眠不足によってストレスホルモンの分泌が増加し、自律神経のバランスが崩れることで吐き気を感じることがあります。寝不足が体に及ぼす悪影響は、吐き気だけでなく、集中力や判断力の低下、免疫力の低下などが挙げられます。
どのような悪影響があるか見ていきましょう。
免疫力の低下
十分な睡眠を取らないと、体が適切に免疫系を機能させるために必要なサイトカインや抗体の生成が妨げられる可能性があります。睡眠中に成長ホルモンが多く分泌されることで傷んだ細胞の修復をして免疫細胞を維持してくれてるのですが、睡眠不足によって十分な成長ホルモンが分泌されず免疫細胞が減少し、免疫力が低下してしまいます。その結果、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなることがあります。
代謝の乱れ
睡眠不足は代謝にも影響を与えます。十分な睡眠を取らないと、食欲を調節するホルモンであるレプチンやグレリンのバランスが乱れ、食欲が増加しやすくなることがあります。レプチンは満腹感を促進し、グレリンは食欲を刺激するホルモンです。これにより、体重の増加や肥満のリスクが高まる可能性があります。
また、基礎代謝を上げる働きのある成長ホルモンの分泌も抑制されるため、消費エネルギーが低下して太りやすくなります。
自律神経の乱れ
睡眠不足により交感神経と副交感神経のバランスが崩れることがあります。
睡眠不足の場合、交感神経が過敏となっている可能性が高く、交感神経は身体を興奮状態にするため、リラックスできてない状態ということです。すると、眠りが浅くなったり、中途覚醒したりと熟睡できず、結果睡眠不足が続き自律神経のバランスも崩れたままで悪循環となってしまいます。
このバランスの乱れは、消化器官の正常な動きを妨げ、吐き気を引き起こす原因となることがあります。
記憶力や学習能力の低下
十分な睡眠をとらないと、脳が適切に機能せず、情報の処理や記憶の定着がうまくいかなくなります。これにより、学習効果が低下したり、記憶力が低下する可能性があります。
吐き気がするほどの寝不足による重大な病気のリスク

睡眠不足がもたらす健康への影響は深刻です。
十分な睡眠をとらないことで、心臓病や糖尿病などの慢性疾患のリスクが高まる可能性があります。
睡眠不足が引き起こす具体的な病気とそのメカニズムについて解説します。
高血圧
睡眠不足が続くと、交感神経が過剰に活性化し、血圧が上昇することがあります。これは、睡眠不足によって体内のストレスホルモンが増加し、血管の収縮が促進されるためです。
寝不足による高血圧になると、夜間と早朝の血圧が高くなるという特徴があります。これは脳卒中や心筋梗塞などの病気のリスクになるため、注意が必要です。
長期間の高血圧は心臓や血管に負担をかけ、心臓病や脳卒中などのリスクを高める可能性があります。
糖尿病
睡眠不足が続くと、インスリンの分泌が乱れることがあります。インスリンは血糖値をコントロールする重要なホルモンであり、その分泌が不足すると血糖値が上昇しやすくなります。長期間の血糖値の乱れは糖尿病の発症リスクを高める可能性があります。
心臓病
睡眠不足により炎症反応が増加し、心臓に負担をかけることも考えられます。心臓は睡眠中にリラックスして休息を取ることで、日中の活動に備えます。十分な睡眠を取らないと、血圧や心拍数が上昇し、動脈硬化や心臓病の発症リスクが高まる可能性があります。
うつ病
睡眠不足は精神的な安定を乱し、うつ病の発症リスクを高めることがあります。
睡眠不足が続くと、うつ病や統合失調症などの患者に似た脳機能の変化がみられ、不安や混乱、抑うつ傾向が強まることが分かっています。
また、うつ病を患うとその症状のひとつに睡眠障害があるため、負のスパイラルに陥る可能性もあります。
十分な睡眠を取ることで、心の健康を保つことが重要です
寝不足で今吐き気がしている方の対処法

寝不足による吐き気は、体のバランスが崩れたサインかもしれません。
しかし、適切な対処法で改善することが可能です。
吐き気を感じた際には以下の対処法を試してみましょう。
休息をとる
寝不足による吐き気を感じたら、まずは休息をとりましょう。十分な睡眠をとることで体の疲れを癒し、吐き気を和らげることができます。
水分補給をする
寝不足や疲れは脱水症状を引き起こすことがあります。吐き気を感じたら、こまめに水分を補給して体を潤すようにしましょう。
軽い運動をする
軽いストレッチやウォーキングなどの運動をすることで、血流が良くなり体のリフレッシュにつながります。
適度な運動をすることで、体を疲れさせることができ、より良い睡眠を促すことができます。ただし、無理な運動は逆効果なので適度な運動を心がけましょう。
食事を摂る
空腹や栄養不足も吐き気の原因となることがあります。バランスの取れた食事を摂ることで、体調を整えることができます。
リラックスする
ストレスや緊張も吐き気を引き起こす要因となります。リラックスするためには、深呼吸やヨガなどのリラックス法を試してみると効果的です。
寝不足による吐き気を予防するための方法

寝不足を予防するためには、日常生活の中でいくつかの工夫をすることが重要です。
以下にいくつかのポイントを挙げてみます。
規則正しい生活リズムを整える
規則正しい生活リズムを整えることで、睡眠の質を向上させることができます。毎日同じ時間に寝て同じ時間に起きることで、体内時計を整えることができます。毎日同じ時間に寝て同じ時間に起きるように心がけましょう。
規則正しい睡眠リズムを保つことで、睡眠の質が向上し、寝不足を予防することができます。
リラックスする習慣を取り入れる
ストレスは睡眠に悪影響を与える要因の一つです。寝る前にリラックスする習慣を取り入れることで、ストレスを軽減し、より良い睡眠を得ることができます。入浴や読書など、リラックスできる時間を作ることが大切です。
快適な睡眠環境を整える
寝る部屋の温度や湿度、照明などを整えて快適な睡眠環境を作ることが重要です。静かで暗い部屋、快適な寝具などを整えて寝ることで、質の高い睡眠を得ることができます。
また、寝る直前の大量の食事やカフェインやアルコールの摂取は睡眠を妨げる原因となります。寝る1〜2時間前には軽い食事を心がけ、カフェインやアルコールは控えるようにしましょう。
医療機関への相談
寝不足が続くと吐き気を感じることもあり、その症状が続く場合は専門家の診断が必要です。
医療機関での寝不足に関する相談は、早めの受診が症状の改善につながるため、気になる症状がある場合は迷わず専門家の意見を求めましょう。
医療機関では、寝不足による吐き気の原因を特定するために様々な検査や質問が行われます。睡眠状態や生活習慣、ストレスの有無などを詳しく聞かれることがあります。また、必要に応じて血液検査や睡眠検査などが行われることもあります。
寝不足による吐き気の治療方法は、その原因によって異なります。一般的には、睡眠時間の確保や質の向上、ストレスの軽減などが重要です。医師の指示に従い、適切な治療を受けることが大切です。
まとめ
寝不足による吐き気の理由や対処法、予防法について理解することで、健康意識を高め、睡眠習慣の見直しを促すことが重要です。
もし、すでに吐き気がするほどの睡眠不足の場合は適切な対処法や生活習慣の改善を試みてみましょう。それでも改善されない場合は、医療機関に頼る選択もあります。
基本的にはそこまでの寝不足にならないように日常生活の工夫が必要です。規則正しい生活リズムを保つことや、睡眠環境の整備、適切な睡眠姿勢の確保などが重要です。
寝不足が引き起こす様々な健康問題から身を守るために、日々の睡眠に注意を払いましょう。