いびきの種類と治療法
いびきでお悩みの方へ

いびきの種類と治療法を理解する
生活習慣やストレス、遺伝などが複合的に作用して発症するいびき。ひとことにいびきと言っても種類や原因、治療法が異なり、きちんと原因を理解することが大切です。
睡眠時無呼吸症候群など症状が重症化する前に適切に対応しましょう。
いびきを理解する

● いびきとは何か
いびきとは、人間が睡眠中に発する音の一つで、多くの場合は無意識に発生します。この音は、眠っている間に口や喉の筋肉が弛緩し、空気が経路を通過する際に振動を起こすことで生じます。息を吸うとき、または吐くときに特に顕著になります。緩んだ筋肉や舌が気道を部分的にブロックし、空気の流れが阻害される場合もあります。
いびきの主な原因
いびきの主な原因はさまざまですが、最も一般的なものから列挙しますと以下のようなものがあります。

- 肥満:
体重が重い人は、首まわりの脂肪が多いため、呼吸する際に舌が後ろに落ちやすく、いびきの原因となります。 - アルコールや睡眠薬の摂取:
これらの物質は筋肉をリラックスさせる効果があるため、喉の筋肉も弛緩し、いびきを引き起こす可能性があります。 - 年齢:
加齢により、体の筋肉が弛緩することでいびきをかきやすくなることがあります。 - 鼻の問題:
アレルギーによる鼻づまりや風邪、副鼻腔炎などで鼻呼吸が困難になると、口での呼吸が増え、それがいびきの原因になることもあります。 - 男性:
男性は女性よりも喉の筋肉が弛緩しやすいため、いびきをかきやすいとされています。
いびきの原因はこれらだけではなく、他にも睡眠姿勢や口の構造による影響もあります。健康状態や生活習慣によってもいびきの度合いは変わりますので、自身のいびきについて正確に把握するためには、医療機関での診断が必要です。それにより、適切な治療方法や解消策を見つけることが可能になります。

いびき健康に与える影響
● いびきが健康に与える影響
まず、いびきが人間の体に与える影響を一口に言うと「健康に悪い」ですが、具体的にどのような影響があるのかを詳しく見ていきましょう。
まず一つ目、睡眠の質を下げます。いびきをかくことで自己の睡眠はもちろん、周囲の人々の睡眠にも影響を及ぼします。その結果、疲労回復がうまくできず、日中の活動パフォーマンスが低下する恐れがあります。
二つ目、心血管系疾患のリスクを増加させます。いびきによる睡眠の質の低下は、高血圧、動脈硬化、心臓発作等の心血管疾患のリスクを高めるとされています。これは、睡眠中にいびきが引き起こす低酸素状態が心臓への負荷を増大する可能性があるからです。
三つ目、睡眠時無呼吸症候群(SAS)のリスクを上げます。いびきはSASの主な症状の一つであり、無呼吸が続くことで重篤な健康問題を引き起こす可能性があるため、特に注意が必要です。
四つ目、精神健康上の問題を引き起こす可能性があります。慢性的な睡眠不足はイライラ感、集中力の欠如、うつ症状など精神的な問題を招くことがあります。
最後に、いびきは肥満との関連性も指摘されています。これは肥満によって喉周辺の脂肪が増え、呼吸の際に気道が狭まるために起こりやすくなるからです。このように、いびきが健康に影響を及ぼすメカニズムは非常に多様で、日々の生活習慣から睡眠習慣に至るまで見直すことが必要となります。次回は、いびきの種類とその特徴についてお話します。
いびきの種類と特徴

●いびきの種類と特徴
いびきには様々な種類があります。それぞれの種類により、原因や特徴、強度などが異なります。以下でいびきの主な種類と、その特徴について詳しく説明します。
(1) 閉塞性いびき
最も一般的ないびきのタイプで、鼻や口、喉の通行部に障害がある結果、発生します。寝ている間に筋肉がリラックスすることで喉が狭くなると、空気の流れが乱れ、振動を伴う音、すなわちいびきが生じます。特に仰向けで寝ているときに出やすくなる傾向があります。
(2) 中枢性いびき
これは比較的稀で、脳が呼吸筋に対して適切な信号を送らない結果起こります。呼吸は一時的に止まり、その後に深い呼吸とともに大きないびきが起きます。
(3) 複合いびき
このタイプのいびきは、閉塞性いびきと中枢性いびきの両方の特性を含んでいます。いずれの種類のいびきも健康に対するリスクを抱えていますが、複合いびきは特に深刻な健康問題を引き起こす可能性があります。
(4) 位置性いびき
これは特定の体位、特に仰向けに寝ている時に発生するいびきです。身体の位置を変えることで改善される場合が多いです。
これら各種のいびきは個々の状況や体質により異なり、適切な診断と治療法の選択には専門的な知識が求められます。特に強いいびきをかく場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性もあるため、医療機関での診断が必要となります。
睡眠時無呼吸症候群といびきの関係

●睡眠時無呼吸症候群とは
睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome、SAS)は、とは、寝ている間に一時的に呼吸が止まる現象を繰り返す病態を指します。この停止期間は10秒以上が主に見られ、一晩に何度も繰り返されます。特に重症の場合、1時間に30回以上無呼吸が発生し、一晩の合計停止時間が数時間に及ぶこともあるのが特徴です。
睡眠時無呼吸症候群は、大きく分けて2つのタイプがあります。一つは、中枢性無呼吸と呼ばれ、脳が呼吸筋への指令を適切に送ることができない状態のものと、もう一つは閉塞性無呼吸と呼ばれ、喉の筋肉がリラックスしすぎて気道が狭くなり、通常の呼吸が困難になるものです。
閉塞性無呼吸は、いびきを伴うことが一般的であり、日中の過度の眠気、集中力の欠如、朝の頭痛など様々な症状を引き起こします。また、長期的には心疾患や糖尿病、脳卒中などの高リスクも報告されています。
この症状は、男性、特に中高年、肥満体や酒を飲む人に多いとされていますが、必ずしもそうとは限らず、様々な要素が絡み合って発症します。しかし、睡眠時無呼吸症候群は自覚症状が少ないため、多くの人々が未診断、あるいは未治療のままでいるという現状があるのも事実です。
睡眠時無呼吸症候群の診断は、専門の医師による綿密な面談や、睡眠時の呼吸パターンを記録する睡眠検査(ポリソムノグラフィ)などにより行われます。把握された情報を基に適切な治療方法が選択され、症状の改善や悪化防止が行われます。
●睡眠時無呼吸症候群といびきの関連性
いびきと睡眠時無呼吸症候群は深い関連があります。実際、多くの睡眠時無呼吸症候群の患者がいびきをかいています。これは、呼吸道が狭くなり、空気の流れが妨げられることでいびきが発生し、更に完全に閉じると一時的な呼吸停止、つまり無呼吸が起こるからです。しかし、全てのいびきが無呼吸症候群を示すわけではないため、睡眠中の異常な息切れや日中の過度な眠気など無呼吸症候群の兆候が見られた場合には、医療機関での検査をお勧めします。
●睡眠時無呼吸症候群の治療と対策
睡眠時無呼吸症候群の治療は、病状や原因によって異なります。一般的な治療法としては、生活習慣の改善、マウスピースの使用、CPAP療法(連続陽圧呼吸管理)、咽頭軟部組織収縮術などがあります。軽度であれば、生活習慣の改善で対策することができますが、睡眠中に何度も無呼吸状態になったりと重症化している場合はすぐに専門機関へ相談し、適切な治療をうけることが大切です。
いびきの解消法と改善策

寝ている間に発生するいびきは自分自身では気づきにくく、家庭生活や寝間睡眠の質を考えると、早めの対策が求められます。ここでは自宅でできる簡易的な改善策から、専門的な治療法まで、いびきの解消法を紹介します。
●自宅でできるいびきの改善策
自宅でできるいびきの改善策として、以下のようなものがあります。
- 体重管理:
適切な体重を保つことで、喉周辺の脂肪を減らし、いびきを軽減することができます。 - アルコールの摂取制限:
睡眠前のアルコール摂取は、舌や喉の筋肉をリラックスさせ、いびきを助長します。寝る前の飲酒は控えましょう。 - タバコをやめる:
タバコは喉を刺激し、その結果、いびきを引き起こす原因になります。 - 寝床の工夫:
体勢を変えてみる、特殊な枕を使うなど、寝床や寝方を工夫していきましょう。
●専門的ないびきの治療法
病院やクリニックで提供されるいびきの治療法は主に以下の3つです。
- CPAP療法:
マスクを通して適度な圧力の空気を供給し、気道を確保し続ける治療法です。特に睡眠時無呼吸症候群に対する効果が高いです。デメリットとしては、専用の機材を睡眠時に常に装着する必要があり、睡眠時のストレスになる場合があります。 - 口腔内装置:
歯科で作成される装置で、上下の顎の位置を調整して気道を開けるものです。口呼吸のいびきに効果的です。マウスピース等を使って気道を確保するため、装着中に痛みを伴う場合があります。 - レーザー治療:
咽頭軟部組織収縮術と呼ばれ、喉の奥にレーザーを照射し、粘膜を縮小させることで気道を半永久的に確保します。痛みも少なく、治療時間も15分程度と短いために効果的な治療法です。
あなたのいびきタイプと最適な治療法

寝ている間に発生するいびきは自分自身では気づきにくく、家庭生活や寝間睡眠の質を考えると、早めの対策が求められます。ここでは自宅でできる簡易的な改善策から、専門的な治療法まで、いびきの解消法を紹介します。
●自宅でできるいびきの改善策
自宅でできるいびきの改善策として、以下のようなものがあります。
- C体重管理:
適切な体重を保つことで、喉周辺の脂肪を減らし、いびきを軽減することができます。 - アルコールの摂取制限: 睡眠前のアルコール摂取は、舌や喉の筋肉をリラックスさせ、いびきを助長します。寝る前の飲酒は控えましょう。
- タバコをやめる:
タバコは喉を刺激し、その結果、いびきを引き起こす原因になります。 - 寝床の工夫:
体勢を変えてみる、特殊な枕を使うなど、寝床や寝方を工夫していきましょう。
●専門的ないびきの治療法
病院やクリニックで提供されるいびきの治療法は主に以下の3つです。
- CPAP療法:
マスクを通して適度な圧力の空気を供給し、気道を確保し続ける治療法です。特に睡眠時無呼吸症候群に対する効果が高いです。デメリットとしては、専用の機材を睡眠時に常に装着する必要があり、睡眠時のストレスになる場合があります。 - 口腔内装置:
歯科で作成される装置で、上下の顎の位置を調整して気道を開けるものです。口呼吸のいびきに効果的です。マウスピース等を使って気道を確保するため、装着中に痛みを伴う場合があります。 - レーザー治療:
咽頭軟部組織収縮術と呼ばれ、喉の奥にレーザーを照射し、粘膜を縮小させることで気道を半永久的に確保します。痛みも少なく、治療時間も15分程度と短いために効果的な治療法です。
いびきの診断と病院の選び方

●いびきの診断方法
いびきは一般的に自身で気付くことは難しく、周囲の人からの指摘や、異常に疲れやすい、日中の眠気などから自覚して医師へ相談するケースが多いです。 いびきの診断には寝ている間の呼吸や体の動きを記録するポリソムノグラフィや、いびきの大きさ、頻度などを評価するエピワース睡眠尺度(ESS)を用いることが一般的です。
●いびき治療のための耳鼻咽喉科の選び方
いびきの治療は耳鼻咽喉科で行われますが、診療所によって専門性や治療法に違いがあるため、選び方が重要になります。まず、いびき治療に対する医師の専門性や経験が豊富かどうかを確認することが大切です。また、治療法も多岐にわたるためそれぞれの診療所でどのような治療法を提供しているかを確認し、あなた自身の症状やライフスタイルに合った治療法を提供しているかをチェックしましょう。
●病院を探すためのポイント
病院選びのポイントとしては、所在地、診療時間、待ち時間など生活スタイルに合ったクリニックを選ぶことが一つの重要な要素となります。また、診療内容や専門性を確認するために口コミサイトや医療機関のホームページの利用も有効です。その他、診療費が明確に表示されているかも確認しましょう。また、分からないことがあれば直接病院に問い合わせを行うのも一つの方法です。治療を始める前に、自身の病状や治療法について十分理解してから進めることが大切です。